top of page

台湾 コロナ禍で生れた流行語

更新日:2021年6月11日


今年は新型コロナウイルス感染拡大により、経済や人々の生活に大きな影響を及ぼしました。台湾でもコロナとの戦いによって生まれた言葉や流行した言葉があります。

今回は、ニュース報道やネット上での会話などでよく耳にした、新型コロナウイルスに関する中国語を紹介します。


報復性○○ (bào fù xìng/バァウ フゥ シン )

意味:リベンジ○○


「報復性○○」は報復性旅遊(リベンジ旅行)や報復性消費(リベンジショッピング)など新聞やメディアの見出しのタイトルとして目にすることが多いです。


報復性とは、日本語と同じように“復讐、リベンジ、仕返し”のような少しネガティブな意味が含まれています。

新型コロナウイルス感染拡大のために自粛中に様々な我慢を強いられた人々が、感染状況が落ち着いてきたのを見計らって、そのストレスを発散するべく“報復性”をもって一目散に旅行やショッピングにはしる様子を表しています。


通常であれば、中国語で「補償」という単語が当てはまるそうですが、新型コロナウイルスで行動を制限されていた悔しさを強調するためにあえて報復という単語を使っているようです。


○実際の記事をのぞいてみましょう!

---------


端午連假國旅景點擠爆 「報復性旅遊」亂象多

(端午節休暇、観光名所は「リベンジ旅行」で大混乱)


許多遊客感嘆,餐廳、小吃店到處客滿,想吃頓飯連位子都沒有,「不僅價格被漲價報復,腸胃也被報復了」;原以為可以報復性賺一筆的旅行業者也哀號,所有旅行社、非旅行社都拚出團搶業績,各家業者的訂單不增反減。(下記ニュースより一部抜粋)


参考:聯合新聞網


---------


こちらの記事は多くの観光客がストレス発散のため、端午節の連休に「報復性旅遊」をしたため、観光地にはお客さんが殺到。おまけに(コロナ明けで)メニューを値上げしているレストランが多かったという内容が書かれています。

文中には「せっかくリベンジ旅行に来たのに、レストラン値上げで価格報復された(多く払うことになった)だけでなく、人が多くて店に入れなくて、食べることができず報復された(損な気分になった)」など、報復性○○という言葉を使った不満がつらつら出てきます…。おもしろい表現ですよね。


また、報復性旅遊に関するお話をもう一つ紹介します。

ある旅行業者は「報復性旅遊」のブームに乗ってひと儲けようと考えていましたが、「各旅行会社や非旅行会社でも割引サービスを提供しているため、受注が増えずにいます」と、国内旅行ブームの裏ではこういった旅行会社の嘆きもあるそうです。

ポジティブなイメージがあったリベンジ旅行ですが、人が殺到することによってこのような意見も出てくることを知ることができました。


○続いての記事をのぞいてみましょう!

---------


三倍券上路碰台北夏季旅展 「報復性消費」一發不可收拾!

(3倍券の発行で、台北夏季旅行展の「リベンジショッピング」は制御不能!)


“台灣疫情趨緩後,振興三倍券正式上路,加上暑假、週末、旅展黃金堆疊,讓世貿一館人潮湧動,民眾「報復性消費」一發不可收拾。”(下記より一部抜粋)


参考:快新聞

---------


こちらの記事は、台湾国内のコロナが落ち着いたタイミングで行われた夏季旅行展の混雑状況を伝えています。夏休み・週末が重なる状況に加えて、振興三倍券*の利用が可能なため、旅行展はリベンジショッピングする人で混雑して制御不能になった”とあります。


自粛ムードが少し和らいだ後の旅行展でたくさんの人の旅行・ショッピング両方のリベンジが行われたことが想像できますね。


*詳しくは当ブログ“台湾 振興三倍券を国民に発行へ”記事参照



口罩之亂(kǒu zhào zhī luàn/コウ ジァオ ジー ルアン)

意味:マスクの乱


新型コロナウイルスが流行し始めた当初、台湾でもマスクの購入が困難となり、薬局などのお店に行列ができたり、マスクを探し周る方たちが多くいました。そんなマスクに翻弄された人々の様子を“口罩之亂(マスクの乱)”と表していました。

2020年3月、マスク購入のため薬局に並ぶ人々

写真:ノマドスタッフ撮影



○こちらも実際の記事をのぞいてみましょう!

---------


防武漢肺炎爆「口罩之亂」民眾撲空飆罵

(コロナを防ぐため爆発した「マスクの乱」買うあてが外れた民衆の怒り)


参考:TVBS NEWS


---------


こちらの記事は、マスクを購入するために早朝から人々がマスク工場に並んでいましたが、その前夜に政府がマスクを回収(管理)することが決まり、購入できないことが分かった人々が大反発したとあります。これを受け、マスク工場は社内会議の上、午前中に一部のマスクを販売したそうです。


このようなマスクの乱がありましたが、その後、台湾政府はすぐに台湾全土のマスクを買い抑え、実名制にて国民が同じ期間に同じ数だけ購入できるよう仕組みを整備し、さらにマスクの国内生産を強化して混乱を落ち着かせました。


我OK,你先領(wǒ nǐ xiān lǐng/ウォOK, ニー シェン リン)

意味:私は大丈夫です。あなたが先に(マスクを)受け取ってください


先述のように、台湾でまだマスクが足りない状況で混乱していた時期にネット上では”我OK,你先領(私は大丈夫です。あなたが先にマスクを受け取ってください)”という運動が広がっていました。

これは医療福祉や行政に関わる人が優先的にマスクが確保できるよう、マスクを買わずに譲ろうという運動です。

我OK,你先領 Facebookページより


國發會(国家発展委員会) 公式Facebookページ2/6より


この運動は主にSNSやネット上で広がり、自分のアイコンの顔写真に“我OK,你先領 ”の画像を当てはめて意思表示をする人も多くいました。


台南市長 黃偉哲さんの公式facebook2/5より


このように、混乱している状況でも困っている人にマスクを譲ることができる心優しい台湾人の一面を改めて知ることとなりました。




記事担当者:台湾ノマドSより

日本では、「密です」「3密」のような新型コロナによって生まれた言葉がありますが、台湾でも同様に流行している言葉がありました。このような流行語にはその時の市民の気持ちや想いが現れているのでとても興味深いと思いました。



写真で台湾!Instagramにて公開中

▼ノマド 台北女子社員日記

台湾勤務の台日スタッフが、日々の暮らしの中からディープな台湾を発信しています。



最新記事

すべて表示
bottom of page