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コロナ成功例を振り返る 台湾のマスク配布の取り組み (後編)


新型コロナウイルスの新たな国内感染*が2ヵ月以上連続して0人の台湾。これまでに取り組んできた防疫の中で特に印象的だったマスク配布に関する取り組みを振り返ります。


※海外からの帰国者、敦睦艦隊の乗組員は除く


4月1日…マスクのポイ捨てに罰金

行政院環境保護署(環境省)は、マスクをポイ捨てした違反者に対して罰金を科すことを発表しました。感染防止期間内に違反した場合1回目は3,600元、2回目以降は6,000元の厳しい罰金が科されます。

ポイ捨てされやすい病院、MRT駅、台鉄駅、高鉄駅、バスターミナルを中心に回収用ごみ箱を計428個設置するなど、ポイ捨て防止の対策も行われています。


参考:行政院環境保護署ニュースリリース


4月9日…台湾人へのマスク国外配送を許可

台湾国内のマスク生産量が安定してきたこともあり、申請を行えば海外に暮らす台湾人へのマスク配送が可能になりました。


条件:二等親以内、または配偶者。かつ差出人と受取人ともに台湾国籍を持っていること。

参考:経済部国際貿易局


4月15日…実名制Ver2.0の導入

アプリを使ったマスクの事前予約とコンビニでの受け取りが可能になりました。


4月22日…実名制Ver3.0の導入

コンビニに設置されているマルチメディア情報端末から、マスクの事前予約ができるようになりました。


4月27日…アプリを使ってマスクの寄付が可能に

マスクの生産量増加にともない、人道支援として個人でもマスクを海外に寄付できるようになりました。健康保険カードを用いて購入できるマスクの未購入分を衛生福利部(厚生労働省)の公式アプリ「健保快易通」から寄付の申請を行うと、個人で購入しなかったマスクが海外へと寄付されます。


6月1日…民間業者のマスク販売 自由化へ

これまで行われてきたマスクの購入枚数制限を撤廃するとともに、民間のマスク生産企業は独自で国内、もしくは海外への販売を許可することを発表しました。


日々進化する購入フロー

3月上旬までは台湾でもマスクの配布日になると、薬局に行列が出来ていました。仕事をしている人は勤務時間中に列に並ぶわけにもいかず、マスク不足に不安を抱いていました。

4月に入り実名制ができると、安定した供給と受け取り場所の分散化が行われるようになり、安心してマスクの購入ができるようになりました。

さらにすごいところは実名制の日々の進化です。4月以降はコンビニでの購入も可能になり、かなり便利になりました。

Ver1.0から進化したVer2.0、 ver3.0の購入フローを紹介します。


■Ver2.0予約購入の流れ

衛生福利部(厚生労働省)の健保卡網路服務註冊(健康保険カード管理システム)の登録を行い、「健保快易通」というアプリをインストールします。アプリ内で購入の申請を行い、指定したコンビニのマルチメディア情報端末から引換券を発行し、レジで受け取ります。

画像:ノマドスタッフ作成



全民健康保険のアプリ「健保快易通」からマスクの予約をします

画像:ノマドスタッフ撮影



セブイレブン、ファミリーマート、Hi-Life、OKmartに設置してあるマルチメディア情報端末内のマスク受け取り専用ページより、引換え手続きを行います。

写真:ノマドスタッフ撮影


引換えレシートを店頭に持って行くと、その場でマスクに引き換えられます

写真:ノマドスタッフ撮影



事前に個人情報の登録を行い、マスクの予約と支払手続きを行う手間はありますが、受け取り日と場所が指定できるため、個人の生活リズムに合わせて購入できるのでとてもありがたかったです。


■ver3.0予約購入の流れ

ver3.0ではマルチメディア情報端末を使った予約もできるようになりました。マスク受け取り専用ページを選び、健康保険カードを差し込むと自分の身分証番号や電話番号が表示されます。確認ボタンを押すと、申込み確認のレシートが発行されます。レジで支払いを済ませ、引き取り期間に入ったら登録したコンビニで、ver2.0と同様にマルチメディア情報端末で予約券を発行し、レジでマスクを受け取ります。

画像:ノマドスタッフ作成


保険証を差し込むだけで簡単に登録ができます

画像:ノマドスタッフ撮影


申込みレシートを10分以内にレジへ持って行き52元を支払います

画像:ノマドスタッフ撮影


後日、引き換えたマスク!

画像:ノマドスタッフ撮影


ver2.0のWEB申込もかなり便利になって本当に助かった!と喜んでいましたが、ver2.0スタートから20日後には更に便利なコンビニ申込ができるようになりました。WEBで申し込んだ場合も当日に支払いができるようになったので、前よりも便利になりました。


記事担当者:台湾ノマドYより

新型コロナウイルが確認された直後は、日本と同じように台湾でもマスク不足が深刻化し、手に入らないことに対して不安を抱く人が多く見受けられました。

台湾政府は新型コロナウイルス感染防止のため、世界の中でもいち早く動き、次々と政策を施行してきました。国民もまた、高い意識で自分と周りの人を守るために防疫に取り組んできました。

私たち日本人からすると、当初は少し大げさに感じる取り組みもありましたが、振り返ると台湾の徹底した防疫が世界で唯一新型コロナウイルスの封じ込めに成功していると言ってもいいのではないでしょうか。

台湾に住んでいる私たちはマスクの着用など一定の制限はあるものの、これまでも比較的普段通りの生活を送れていますし、6月以降は海外渡航ができない分、国内の観光地が例年以上に賑わっています。次のステップとして、早く日本との渡航制限がなくなることを祈っています。





上記の情報は台湾政府や台湾の報道機関等が発信した情報を弊社で翻訳して日本の方にお伝えしているものです。誤訳や分かりにくい点がありましたら、順次、修正していきますので、こちらからご連絡ください。


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