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私的台湾ノスタル地 写真館 No.01竹田駅園 池上一郎博士文庫


台湾旅行の道中や、何かの用で初めての地に足を踏み入れた際、特別な秘境や未開の地でもなく、台湾の人が普通に暮らしている土地だけど、いたるところでなぜか懐かしさを感じる土地。なんともいえない、あのノスタルジア感…。


一度でも台湾旅行をし、台湾大好きになった人なら、皆さんも懐しさを感じる場所が台湾のあちこちで発見できていると思います。私もその郷愁の念を感じる空間が大好きな一人。


そんな土地や空間に、私は誰にも通じない単語「ノスタル地(ジー)」…と命名して、誠に勝手にながら、指定地化して遊んでいます (笑)。


そんな場所を不定期な私的セレクトですが簡単にご紹介いたします。




No.01 竹田駅園 池上一郎博士文庫(2009年)


■竹田駅 旧駅舎



台湾鐵道 屏東駅から南下すること数駅、降り立つ駅舎はまるで自分が映画のセットに立っているかのような、青空が広く映える木造の竹田駅があります。建てられたのは1939年。


■高架前のホーム


■駅舎内 改札口


■駅舎内 入口 奥に電鍋が、、


そして、駅舎の横には同じく木造づくりで、最南端の日本語図書館といわれている「池上一郎博士文庫」もあります。


■竹田駅園 池上一郎博士文庫正面


建物の由来となっている池上一郎博士は、戦時中に軍医としてこの地の野戦病院に赴任された方です。軍人だけでなく村人の治療も行っていたようです。


終戦後、日本人は台湾から引き上げたはずなので、2年ぐらいしかこの地に住んでいなかったはずですが、戦後は台湾からの留学生を支援するなど日本と台湾との交流に大きく貢献された方のようです。


池上氏が生前、竹田郷にご自身の蔵書を5千冊寄付されたことから、2001年に現地の人たちが感謝の意を込め文庫を開館しました。


■竹田駅園 池上一郎博士文庫看板



■文庫内の本


私とこの場所との出会いは、民族楽器「二胡」を趣味としている新竹市の友人が、本を寄贈した際に、毎年1月に開かれる開館式典の余興で、二胡を弾いてみないかとお声をかけていただいた際に、一人よりはということで私も誘われたご縁から。


我々は、台湾の民謡「望春風」、日本の童謡組曲などを演奏しました。日本の童謡では歌詞カードを渡してはいませんでしたが、観客の方がだんだんと、一緒に歌いだしてくれ我々の方が感動しました。


■鉄道倉庫をリノベーション 「李秀雲撮影紀念館」にて


■鉄道倉庫をリノベーション 「李秀雲撮影紀念館」外観


いつもは静かな駅前ですが、この式典のため毎年、沢山の日本語世代(日本統治時代に日本語教育を受けた方)や日本語を学ぶ学生の方などが各地より記念式典に来られており、私が2009年の8周年にお邪魔したときも大変賑いました。

お昼は、なんと参加者全員に駅前池上文庫前の広場で「炒米粉」と「麻油鶏」がふるまわれました。


このイベント参加後、池上文庫の理事長から直筆で、式典が新聞に掲載されたよと記事をコピーして送っていただきました。心溢れる立派な日本語で。感動。


■池上文庫前にて。偶然、知る人ぞ知る台湾本の作家K氏が!


■池上文庫理事長より新聞記事を送っていただきました。細かな心遣いにまた感動


2021年1月16日にはちょうど20周年記念が開催されたばかりだそうです。

こうして今も続いていることは大変に素晴らしいことだと思います。池上一郎博士文庫の公式Facebookでは今年の式典の様子が掲載されていました。


Facebookの記事によると理事長は、台湾における対日理解の促進及び友好親善に寄与されたということで、令和2年秋の外国人叙勲に選ばれ日本政府より叙勲を受章されたとのことです。


建物だけが懐かしいのではなく、この地の竹田郷の空気感、人、すべてが素敵。私からはこれ以上、由来やうんちく、歴史等は語りません。


現実的なことを考えると課題は色々あるかと思いますが、コロナが収束して再び台湾旅行が楽しめるようになった際には、皆さんもぜひ途中下車して、「竹田駅園 池上一郎博士文庫 」に立ち寄ってほしいなぁと思います。きっと何か感じることがあるはず!




文と写真撮影:ノマドデザイナー O

※写真は全て2009年に撮影したものです。




追伸:

現在もそんなに大きな変化はないですが、ひとつだけ残念なのは竹田駅の木造駅舎は後ろに高架型の新駅ができて、私が撮影した駅は旧駅舎となりました。

駅舎前の精米所跡地には「大和頓物所」という台湾的おしゃれ〜な空間の自家焙煎のカフェもできたようです!行きたいー!


■やさしい木漏れ日と絵が重なりなんとも味のある壁(2009年撮影)



■壁は今も残されていて、新しくできた大和頓物所で観ることができるそう


大和頓物所について



写真で台湾!Instagramにて公開中

▼ノマド 台北女子社員日記

台湾勤務の台日スタッフが、日々の暮らしの中からディープな台湾を発信しています。


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